2012年03月15日

「猫鳴り」沼田まほかる

流産した夫婦の家の近くに捨てられた子猫は、少女が母親に捨ててくるように言われおいた猫。その少女の同級生が不登校でペンギンという名の仔猫が死んだので公園に埋めにいくと、少女の猫にさらわれる。20年後、妻に先立たれた老人と老いた猫。捨てられた仔猫が死ぬまでに関わる人の物語。前2部は黒い心の表現が多いがなぜか浮遊感をまとっている。後半、老猫を通じ老や死についての心の動きが細かく書かれているが、特に大きな出来事もなくたんたんと話が流れる。 3
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2012年03月08日

「森の中の魚」 角田光代

最近、本屋で題名が気になった本をいくつか読んでいます。いわゆるジャケ買い的なノリで買ったせいもあるが、よく目にする作家のものになり現代を映した作品といったところでしょうか。 その中のひとつがこの「森の中の魚」。以前「ロック母」を読み角田光代は2冊目です。 子供のいる、またはこれから生まれる母親の日常の中で起きていることを書いているのだが、心の動きや関係性が絡み合いながらこくこくと時間たっていくそんな感じです。数人の母親、それぞれの目線でかかれているので、父親の姿は薄いですが。ある事件を元にしているとう先入観もあるが、雰囲気とう薄い透明の膜につつまれながら話が進行していて、先を予感させられながら読みました。 2+2+4
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2012年03月01日

「食堂かたつむり」 小川糸

インド人の彼氏が突然家財道具もろともいなくなる状況。そして声が出なくなる。そんな話の出だしだがスゴくそっけない感じで始まり全体的に軽さをもった小説。そんな心地よい軽さもあって、斜め読みで一気に読みました。食堂かたつむりにでてくる願いごとのかなう料理が細かく描かれていので、どんな感じなんだろうとおもってると、2010年に映画になっていたそうで、知らないまま読んでました。こんど映画もみてみよう。 2+3
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